『RAGE Shadowverse Pro League 19-20 2nd』が開幕しました。
今期からルールの変更があり(詳しくは公式ページのルール説明を参照)、デッキの選択や戦略に大きな影響を与えています。
簡単にまとめると、構築では5デッキ(5クラス)を持ち込み、BO1を最大で4回行うというルールです。持ち込んだ5デッキのうち、1つは使用されないですし、1度使ったデッキは勝っても負けても再び使うことはできません。
このルール変更によって、
①デッキ選択や戦略の幅が広がる。(相手の出し方を牽制するための見せデッキなど)
②デッキ相性が重要になり、特定のデッキタイプに対して強ければ、BO3で採用しにくいデッキタイプも戦略に組み込まれる。
③逆に、明確に苦手な相手が存在するデッキの使い方が難しくなる。
のような影響があり、BO3とは違った面白さがありますね。
この記事では、プロリーグで使用されたデッキの中から、新ルールならではの注目のデッキや、主要なデッキを中心に6クラスの6デッキをまとめています。
・復讐ヴァンパイア(Spicies選手使用)
・潜伏ロイヤル(Chino選手使用)
・自然ドラゴン(リグゼ選手使用)
・自然ネクロ(Gemo選手使用)
・リノセウスエルフ(あぐのむ選手使用)
・自然ビショップ(ミル選手使用)
RAGE Shadowverse Pro League 19-20 2ndの公式ページ
復讐ヴァンパイア(Spicies選手の使用デッキ)
Spicies/DNG選手が使用した復讐ヴァンパイアのデッキレシピです。
復讐ヴァンパイアは、自然ビショップや自然ネクロに弱いので、BO3ルールでは採用されにくいデッキタイプですが、プロリーグの新ルールでは役割を持つことができます。
このデッキが登場したのは構築戦の3戦目で、相手が自然ネクロと自然ビショップを1~2戦で使用して、もう出ないと分かったタイミングで投入されました。
強いデッキから使いたいという心理を読み、早い段階で自然ビショップと自然ネクロが使用される展開を想定して、3~4戦目に使うためのデッキとして復讐ヴァンパイアが持ち込まれたのでしょう。
このような状況が想定されているので、リノセウスエルフ、自然ドラゴン、潜伏ロイヤルに強い構築に組まれています。
潜伏ロイヤル対策としては、「魅惑の一撃」「カラミティブリンガー」が3枚ずつ採用されています。
リノセウスエルフや自然ドラゴンに対しては、リーサルを急ぐ必要があるので、前寄りの構築になっていますね。
特にリノセウスエルフ対策が重視されていて、「レイジコマンダー・ラウラ」「ダークジェネラル」の疾走、攻撃力3で豪風のリノセウス進化で上から取られない「犇めく悪鬼」、守護を含めてフォロワーを横に並べる「魔眼の蛇神・メドゥーサ」などが採用されています。
潜伏ロイヤル(Chino選手の使用デッキ)
Chino/AXIZ選手が使用した潜伏ロイヤル(リオードロイヤル)のデッキレシピです。
潜伏ロイヤルは、自然ビショップの「エクセスプリースト」、自然エルフの「回帰する抱擁・ラティカ(大いなる回帰)」などの対策カードがあるので、現環境では使いづらいデッキタイプです。
しかし、潜伏を処理する手段がない自然ネクロに対して滅法強いという役割があり、相手が自然ネクロを出すのを牽制することもできます。
今回は4チームが潜伏ロイヤルを持ち込んでおり、新ルールでは自然ロイヤルよりも効果的なデッキタイプと判断されているようです。
自然ドラゴン(リグゼ選手の使用デッキ)
リグゼ/GxG選手が使用した自然ドラゴンのデッキレシピです。
自然ドラゴンはランクマッチ環境では3~4番手のデッキタイプで、最近だとBO3で採用されることもありますね。
リノセウスエルフと自然ビショップには不利ですが、それ以外に大幅に不利がつく相手がいなくて、特にセレス採用型など後ろ寄りの自然ネクロに有利がつくのが長所です。
デッキ構築で注目したいのは、ドラゴンシェフ採用型で回復重視の構築と、ブレイジングブレス採用型で除去重視の構築で分かれたことです。
上記のデッキレシピは回復重視の構築で、自然ドラゴンミラーに強く、実際にミラーマッチでは勝利していましたね。
不利なリノセウスエルフにはもっと不利になる構築ですが、新ルールの場合は、有利になる相手が多くなるのが重要ということでしょう。
自然ネクロ(Gemo選手の使用デッキ)
Gemo/AXIZ選手が使用した自然ネクロのデッキレシピです。
自然ネクロはランクマッチでは2番手のデッキタイプで、BO3ルールでもセレス採用型が自然ビショップに対して戦えるという利点がありますが、プロリーグの新ルールでは狙い撃ちされていました。
具体的には、特にセレス採用型が、自然ドラゴンや潜伏ロイヤルに負けていましたね。
もともとリノセウスエルフは苦手なので、自然ドラゴンや潜伏ロイヤルにも不利がつくと、新ルールではかなり使いづらくなります。
しかし、上記のデッキは「アイアンツールドクター」「沈黙の信者」を採用してリノセウスエルフへの耐性を強くしており、実際にリノセウスエルフに勝っています。
新ルールの場合、1回しか使えない自然ビショップに強い構築にするよりは、他の多くのデッキに対して強い方が有利なので、ケルベロス採用型で守護重視の構築が今後多くなることが予想されます。
リノセウスエルフ(あぐのむ選手の使用デッキ)
あぐのむ/横浜F・マリノス選手が使用したリノセウスエルフのデッキレシピです。
全8チームがリノセウスエルフを持ち込んでおり、自然エルフの持ち込みはゼロでしたね。
リノセウスエルフは自然ドラゴンや自然ネクロに有利がつきますし、理想的な動きができればどのデッキタイプが相手でも勝てます。
逆に、自然エルフは自然ネクロに不利がつくのが痛く、新ルールでは採用しづらいのかもしれません。
デッキ構築の特徴としては、「雷鳴の軍神・フニカル」「不殺の円陣」が採用されており、2パスをしづらいことや、リノセウスエルフミラーに強いことがポイントですね。
自然ビショップ(ミル選手の使用デッキ)
ミル/DNG氏が使用した自然ビショップのデッキレシピです。
自然ビショップは、ほぼすべての相手に対して有利がつくデッキで、その万能性から新ルールでもエースとなります。
デッキ相性差の激しいデッキばかりを残してしまうと、残ったデッキがどれも不利になる相手をぶつけられる可能性が高まるので、自然ビショップやリノセウスエルフは後々まで温存される場合が多いです。
温存するのは相手も同じなので、今回は自然ビショップミラーやリノセウスエルフ対面ばかりでしたね。
デッキ構築の特徴としては、「飢餓の輝き」3枚で打点が多めです。「荒野の案内人」1枚で「ワンダーコック」1枚という組み合わせや、「聖弓の使い手・クルト」の枚数を減らした構築は、最近ではよく見かけるイメージです。